福岡の法人向け補助金・助成金|県・市・国の制度と受付状況を解説

福岡で使える補助金・助成金は県・市・国に分かれていて、中小企業が受付中の制度を探すのは手間です。本記事は法人向けの制度に絞り、個人向けの住宅や家電の補助は含みません。窓口別に制度を整理し、2026年10月時点の受付状況を一覧で示したうえで、雇用関係助成金の窓口と申請前の確認点も解説します。
■ 福岡の補助金・助成金は県・市・国で窓口が分かれる

実施主体は福岡県、福岡市、国の3つに分かれ、申請先も要件もそれぞれ別です。雇用関係助成金は補助金と別の仕組みで、窓口は主に福岡労働局です。
県の制度と市の制度は申請先も対象者も違う
県の制度は県内に、福岡市の制度は市内に、本店や事業所があることを要件にする制度が多くあります。市のページに載っている制度でも、受付中とは限りません。
福岡市の事業展開サポートに載る県の補助金は、2026年10月時点で全回の募集が終了済みです。
出典:福岡市「事業展開サポート」(補助金情報欄) 出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(1 提出期限)
補助金は審査があり、原則として後払い
補助金は、国や自治体が事業者の新しい取組を支援するために支給する、原則返済不要のお金です。審査があるため、申請しても採択されないことがあります。
原則として後払いで、受け取るのは事業実施後の検査を経てからです。県の補助金には概算払の様式を掲載する制度もあり、すべてが完全な後払いとは限りません。
雇用関係助成金は、採択審査ではなく、支給対象に該当し、かつ不支給要件に該当しないかの判定で支給が決まります。
出典:中小企業庁 ミラサポplus「補助金とは」(POINT 1〜3) 出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(補助金の概算払を請求する場合の様式) 出典:厚生労働省「雇用関係助成金支給要領(共通要領)」(0601 支給決定)
■ 福岡県・福岡市・国の補助金の受付状況一覧(2026年10月時点)

※中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回は、2026年10月16日17時に締め切りました。
県・市・国の制度を、受付状況ごとに整理しました。締切や予算の到達で終了することがあるため、申請書類を作り始める前に、各制度の公式ページで受付状況と様式の最新版を確かめておくと手戻りを防げます。
福岡県の制度の受付状況
県の生産性向上・賃上げ緊急支援補助金と経営革新・賃上げ緊急支援補助金は、2026年10月時点で全回の募集が終了しています。特別高圧受電契約者支援金は補助金ではなく給付金で、特別高圧の電力需給契約を結ぶ事業者だけが対象です。
| 制度名 | 実施主体 | 受付状況(2026年10月時点) | 解説 |
|---|---|---|---|
| グリーンアジア国際戦略総合特区 中小企業設備投資促進事業 | 福岡県 商工政策課 | 受付中(2026年4月1日から随時受付。予算に限りがあり、申請前に事前問い合わせが必要) | 県:設備投資・事業承継 |
| 奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金 | 福岡県 中小企業経営支援課 | 受付中(交付申請は2026年12月28日必着) | 県:人材確保 |
| 副業・兼業人材活用促進事業費補助金 | 福岡県 商工政策課 | 受付中(2027年1月15日17時まで) | 県:人材確保 |
| 脱炭素経営計画策定支援補助金 | 福岡県 脱炭素社会推進課 | 受付中(2026年12月25日17時必着。予算の上限に達し次第終了) | 県:脱炭素・省エネ |
| 中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金 | 福岡県 | 受付中(2026年11月27日まで。予算に達した場合は終了することがある) | 県:脱炭素・省エネ |
| 事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金 | 福岡県 中小企業経営支援課 | 受付中(最終締切は2026年10月30日17時) | 県:設備投資・事業承継 |
| 中小企業等特別高圧受電契約者支援金(第六期) | 福岡県 | 受付中・対象限定(特別高圧の受電契約者のみ。2026年12月11日まで) | —(表の注記のみ) |
| 省エネ新製品開発支援補助金 | 福岡県 中小企業技術振興課 | 終了(3次募集は2026年8月21日17時に締切) | 県:脱炭素・省エネ |
| 生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分) | 福岡県 中小企業技術振興課 | 終了(1次〜6次の全回が募集終了。6次の提出期限は2026年8月17日正午必着) | 県:賃上げ・生産性向上 |
| 経営革新・賃上げ緊急支援補助金 | 福岡県中小企業振興センター | 終了(第1回〜第5回の全回が終了。第5回の申請期間は2026年7月15日まで) | 県:賃上げ・生産性向上 |
出典:福岡県「令和8年度 グリーンアジア国際戦略総合特区 中小企業設備投資促進事業(補助金)」(6 申請受付期間) 出典:福岡県「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」(手続きの流れ) 出典:福岡県「福岡県副業・兼業人材活用促進事業費補助金」(申請期間) 出典:福岡県「福岡県脱炭素経営計画策定支援補助金」(6 公募期間) 出典:ふくおかエコライフ応援サイト「令和7年度補正予算 福岡県中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金」(補助申請期間) 出典:福岡県「事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金」(申込受付期間) 出典:福岡県「福岡県中小企業等特別高圧受電契約者支援金(第六期)」(3.申請の受付期間) 出典:福岡県「脱炭素社会実現のための省エネ新製品開発支援補助金」(募集期間) 出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(提出期限の一覧) 出典:福岡県中小企業振興センター「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(申請期間の表)
福岡市の制度の受付状況
省エネ設備導入支援事業の補助枠の残りは、2026年9月30日時点で2,000万円です。省エネ最適化診断との組合せ申請は、残り3件です。
予算に達した時点で受付を終了します。宿泊業向けなど、申請できる事業者が限られる制度には「対象限定」と注記しています。
| 制度名 | 実施主体 | 受付状況(2026年10月時点) | 解説 |
|---|---|---|---|
| 事業所の省エネ設備導入支援事業 | 福岡市 環境局 | 受付中(2026年11月27日まで)。補助枠の残りは2,000万円(2026年9月30日時点)、組合せ申請は残り3件 | 市:省エネ設備 |
| 中小企業奨学金返還支援事業 | 福岡市 経済観光文化局 | 受付中(2026年7月1日〜11月30日。予算の上限に達した場合は交付決定できないことがある) | 市:奨学金返還 |
| 宿泊事業者受入環境充実支援補助金 | 福岡市 経済観光文化局 | 受付中・対象限定(旅館業を営む宿泊事業者。2026年5月13日〜11月30日、予算額に達した時点で終了) | 市:対象が限られる制度 |
| 研究開発型スタートアップ成長支援事業補助金 | 福岡市 経済観光文化局 | 終了・対象限定(令和8年度の交付申請は締切済み) | 市:対象が限られる制度 |
| 商店街イベント事業補助金/商店街社会課題解決型補助金 | 福岡市 経済観光文化局 | 終了・対象限定(申請主体は商店街等。募集は2026年6月12日17時まで) | 市:対象が限られる制度 |
出典:福岡市「令和8年度 福岡市事業所の省エネ設備導入支援事業」(お知らせ・1 申請受付期間) 出典:ふくおか奨学金返還サポート(福岡市の委託サイト)「補助金」(補助金交付申請〔新規申請〕について【申請期間】) 出典:福岡市「令和8年度 福岡市宿泊事業者受入環境充実支援補助金(ホテル・旅館・簡易宿所用)」(スケジュール) 出典:福岡市「令和8年度 福岡市研究開発型スタートアップ成長支援事業補助金」(8.提出期限・提出方法) 出典:福岡市「商店街支援施策」(各補助金の募集時期)
国の主要制度の受付状況
国の補助金は、福岡県や福岡市の補助金とは別に公募され、事務局も制度ごとに別です。持続化補助金の事務局は、所在地が商工会議所地区か商工会地区かで分かれます。
持続化補助金は第20回が公募中ですが、申請の受付はまだ始まっていません。
| 制度名 | 実施主体 | 受付状況(2026年10月時点) | 解説 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第20回 | 中小企業庁(商工会議所地区・商工会地区の各事務局) | 公募中(申請の受付開始は2026年11月5日。締切は2026年12月15日17時、事業支援計画書〈様式4〉の発行受付は12月4日まで) | 国:持続化補助金 |
| 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回 | 中小企業基盤整備機構 | 受付中(応募締切は2026年10月30日18時) | 国:設備投資・新事業 |
| 中小企業省力化投資補助金(一般型)第8回 | 中小企業基盤整備機構 | 受付終了(公募締切は2026年10月16日17時) | 国:設備投資・新事業 |
| 中小企業省力化投資補助金(カタログ注文型) | 中小企業基盤整備機構 | 受付中(当面の間、随時受付) | 国:設備投資・新事業 |
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 中小企業庁・中小企業基盤整備機構 | 受付中(通常枠・インボイス枠の6次締切は2026年10月30日17時) | 国:ITツール導入 |
出典:小規模事業者持続化補助金(商工会議所地区)事務局「第20回公募」 出典:小規模事業者持続化補助金(商工会地区)事務局「申請について」(第20回公募スケジュール) 出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 公募スケジュール」(第1回 公募スケジュール) 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金 一般型 スケジュール」(応募申請の表・第8回) 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型 スケジュール」(冒頭の随時受付の案内) 出典:デジタル化・AI導入補助金事務局「事業スケジュール」(交付申請期間・6次締切分)
■ 福岡県の法人向け補助金は目的別に探す

県の補助金は、人材確保、脱炭素・省エネ、設備投資・事業承継、賃上げ・生産性向上の4つの目的に分けると探しやすくなります。各制度の表で比べるのは対象者と補助額です。
人材確保:奨学金返還助成と副業・兼業人材活用
従業員の奨学金返還を支援する制度と、副業・兼業のプロ人材を初めて受け入れる制度があります。奨学金返還助成は、登記上の本店が県内にあることが条件です。
| 制度名 | 対象者 | 補助率・上限 | 前提条件 |
|---|---|---|---|
| 奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金 | 福岡県に本店がある中小企業。対象の従業員は、県内の事業所に勤務する正社員 | 2分の1以内(1企業当たり50万円まで) | 明文化された規定に基づき、従業員の奨学金返還支援に取り組んでいること |
| 副業・兼業人材活用促進事業費補助金 | 福岡県内に本社または主たる事業所を有する事業者 | 8/10以内(補助限度額50万円) | 福岡県プロフェッショナル人材戦略拠点を活用して、初めて副業・兼業のプロ人材を受け入れること |
出典:福岡県「福岡県奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業補助金」(2.事業内容) 出典:福岡県「奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業」特設サイト「よくある質問」(Q6) 出典:福岡県「福岡県副業・兼業人材活用促進事業費補助金」(交付対象者・補助率、補助限度額)
脱炭素・省エネ:計画策定支援と設備導入支援
計画の策定を支援する制度と、設備の導入を支援する制度は別です。脱炭素経営計画策定支援補助金は、上限が100万円です。公式ページでは「1,000千円」と表記されているため、万円に直すときは桁に注意してください。
| 制度名 | 対象者 | 補助率・上限 | 前提条件 |
|---|---|---|---|
| 脱炭素経営計画策定支援補助金 | 県内に事業所を有する中小企業者等 | 補助対象経費の2分の1(上限100万円) | 脱炭素経営計画を策定する際のコンサルタント経費、診断分析経費が対象 |
| 中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金 | 県内の中小企業者等(青色申告の個人事業者を含む) | 屋根置き型太陽光発電設備(10〜50kW未満)は5万円/kW(上限250万円)。同時に導入する高効率空調・給湯・コージェネは3分の1以内(上限100万円)、蓄電池(20kWh以上)は3分の1以内(上限533万円) | 省エネ設備・蓄電池は、太陽光発電設備と同時に導入する場合に限る。県の事業で削減目標を設定済み、またはSBT認定を取得済みなど、脱炭素経営の取組が要件 |
| 省エネ新製品開発支援補助金(2026年10月時点で募集終了) | 県内に主たる事業実施場所(本社を含む)を有する中小企業者、中小企業等協同組合 | 補助対象経費の2分の1以内(500万円以内。賃上げにより上乗せあり) | 自社で試作開発する事業が対象。開発を外部へ委託する計画は対象外 |
出典:福岡県「福岡県脱炭素経営計画策定支援補助金」(5 補助率、補助対象経費) 出典:ふくおかエコライフ応援サイト「令和7年度補正予算 福岡県中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金」(1 概要) 出典:福岡県「脱炭素社会実現のための省エネ新製品開発支援補助金」(応募対象者・補助率及び補助額)
設備投資・事業承継:特区設備投資と収益力強化
グリーンアジア特区の設備投資補助は、特区事業者と取引関係のある県内の中小企業に限られ、一般の設備投資補助ではありません。収益力強化補助金は、事業承継支援ネットワークの支援を受けていることが前提です。
| 制度名 | 対象者 | 補助率・上限 | 前提条件 |
|---|---|---|---|
| グリーンアジア国際戦略総合特区 中小企業設備投資促進事業 | 特区事業者と取引関係のある県内の中小企業(複数の中小企業で構成するグループも可)。特区事業者自身は対象外 | 対象経費の合計額の15%以内(上限400万円) | 特区事業者に供給する部品等の製造・開発のための設備が対象。取得額の合計は、生産設備が500万円以上、開発設備が250万円以上。申請前に事前問い合わせが必要 |
| 事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金 | 今後5年以内に事業承継をしようとしている中小企業 | 1/2以内(小規模事業者は2/3以内)、補助上限50万円 | 福岡県事業承継支援ネットワーク構成機関から、事業承継計画に関する支援を受けていること(申込受付期間に支援を受けた場合も対象) |
出典:福岡県「令和8年度 グリーンアジア国際戦略総合特区 中小企業設備投資促進事業(補助金)」(1 対象企業・2 要件・4 助成額等) 出典:福岡県「事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金」(ページ冒頭・補助対象経費、補助率、補助上限)
賃上げ・生産性向上の支援は2026年10月時点で全回の募集が終了
県の賃上げ関連の補助金は2制度あり、実施機関も対象者も異なります。生産性向上・賃上げ緊急支援補助金は県の中小企業技術振興課、経営革新・賃上げ緊急支援補助金は福岡県中小企業振興センターが実施し、別の制度です。募集は前者が1次から6次、後者が第1回から第5回まででした。
| 制度名 | 対象者 | 補助率・上限 |
|---|---|---|
| 生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分) | 福岡県内に生産性向上の取組を行う事業所を有する中小企業者(みなし大企業を含む)、中小企業等協同組合 | 事業場内最低賃金の引上げ額が30円以上60円未満は3分の2以内、60円以上は4分の3以内。上限は、30円以上60円未満が大規模支援2,000万円・小規模支援200万円、60円以上が大規模支援2,250万円・小規模支援225万円 |
| 経営革新・賃上げ緊急支援補助金 | 福岡県内に本店を置く中小企業者、または県内に住民登録している個人事業主 | 事業場内最低賃金の引上げ額が30円以上60円未満は対象経費の2/3以内(上限120万円)、60円以上は3/4以内(上限135万円) |
出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(2 交付対象者・3 補助対象等(3)補助率・補助限度額) 出典:福岡県中小企業振興センター「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(1.補助金の概要) 出典:福岡県「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(冒頭の受付終了の案内)
■ 福岡市の法人向け補助金は制度ごとに申請できる事業者が違う

福岡市の事業展開サポートが補助金情報として挙げているのは、国の補助金活用ナビ、県の補助金、組合向けの市の補助金の3つです。一般の法人が使える市の制度は、省エネ設備や奨学金返還などテーマ別に分かれ、宿泊事業者向けなど対象が限られる制度もあります。
事業所の省エネ設備導入支援
市内に事業所を持つ中小企業者等が、LED照明・高効率空調・高機能換気設備を導入する費用を補助します。申込方法は、設備のみと、省エネ最適化診断との組合せの2つで、上限額はそれぞれ別です。見積は2者以上から取り、うち1者以上は市内に本店か支店がある事業者に依頼します。
| 申込方法 | 補助率 | 上限額 |
|---|---|---|
| 設備導入支援のみ | 機器費の2分の1 | 1事業所あたり300万円 |
| 省エネ最適化診断と組合せ | 機器費の2分の1 | 1事業所あたり600万円 |
どちらの方法も、1事業者あたりの上限は900万円です。
出典:福岡市「令和8年度 福岡市事業所の省エネ設備導入支援事業」(3(2)補助金交付額・4 補助対象者[条件])
中小企業奨学金返還支援は本店・本社が福岡市内の企業が対象
福岡市内に本店と本社がある中小企業等が、市内勤務の正社員に奨学金返還支援を行った場合に、企業負担額の原則2分の1を補助します。上限は1年度あたり1企業50万円です。
県の奨学金返還助成は県内に本店があることが対象で、市は本店と本社が市内にあることが対象です。
出典:ふくおか奨学金返還サポート(福岡市の委託サイト)「補助金」(補助率・上限額・01. 対象企業の要件) 出典:福岡市「人材確保サポート」(市の人材支援メニュー)
先端設備等導入計画は補助金ではなく税の特例
先端設備等導入計画は、中小企業が労働生産性を高めるための計画を立てて福岡市の認定を受けると、税制支援や金融支援を受けられる制度です。固定資産税の特例措置は、賃上げ方針を盛り込んだ計画に基づいて、2025年4月1日から2027年3月31日までに導入した設備が対象です。
対象が限られる制度:宿泊業・研究開発型・商店街等
表の3制度は、申請できる事業者が宿泊業、研究開発型スタートアップ、商店街等に限られます。研究開発型スタートアップ向けと商店街向けは、2026年10月時点で募集が終了しています。
| 制度名 | 対象者 | 補助率・上限 |
|---|---|---|
| 宿泊事業者受入環境充実支援補助金 | 旅館業を営み、福岡市宿泊税の納入申告書を提出している事業者 | 補助対象経費の2分の1以内。上限は客室数に応じて40万円(1〜29室)から300万円(150室以上) |
| 研究開発型スタートアップ成長支援事業補助金 | 大学等の研究成果を活用する研究開発型スタートアップ等。Aコースは創業5年以内等、Bコースは創業10年以内でVC等から出資を受けていること | Aコースは補助対象経費の10分の10(200万円以内)、Bコースは3分の2(800万円以内)。併願不可 |
| 商店街イベント事業補助金/商店街社会課題解決型補助金 | 申請主体は商店街等 | イベント事業は補助対象経費の2分の1以下(30万円限度)、社会課題解決型は3分の2以下(200万円限度) |
出典:福岡市「令和8年度 福岡市宿泊事業者受入環境充実支援補助金(ホテル・旅館・簡易宿所用)」(対象事業者・補助率) 出典:福岡市「令和8年度 福岡市研究開発型スタートアップ成長支援事業補助金」(2.事業概要・3.補助対象者について) 出典:福岡市「商店街支援施策」(各補助金の支援内容)
■ 福岡の事業者も使える国の主要補助金

福岡の事業者が申請できる国の主な制度を、用途別に整理すると次のとおりです。
小規模事業者向け:持続化補助金
小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)は、経営計画に基づく販路開拓等の取組と、あわせて行う業務効率化の取組を補助します。事業支援計画書(様式4)は、所在地の商工会議所または商工会が発行します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助上限 | 50万円。インボイス特例対象事業者は50万円、賃金引上げ特例対象事業者は150万円、両特例対象事業者は200万円の上乗せ |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例のうち赤字事業者は3/4) |
出典:小規模事業者持続化補助金 公募要領 第8版(商工会地区版)(事業の目的・補助上限・補助率) 出典:小規模事業者持続化補助金(商工会地区)事務局「申請について」(事業支援計画書〈様式4〉)
設備投資・新事業向け:新事業進出・ものづくり補助金と省力化投資補助金
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金は、革新的新製品・サービス枠、新事業進出枠、グローバル枠の3枠で、新製品・サービスの開発や新市場・高付加価値事業への進出を後押しします。省力化投資補助金には一般型とカタログ注文型の2類型があり、一般型は公募回制、カタログ注文型は当面の間、随時受付です。
出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 補助金概要」(冒頭・補助対象事業枠) 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金」(トップページ冒頭の類型の案内) 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金 カタログ注文型 スケジュール」(応募・交付申請の受付方法)
ITツール導入向け:デジタル化・AI導入補助金
デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、登録されたITツールの導入を支援する制度です。申請は、事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで行います。
各制度の概要は、デジタル化・AI導入補助金、新事業進出・ものづくり商業サービス補助金、省力化投資補助金(一般型)のページでご覧いただけます。
出典:デジタル化・AI導入補助金事務局「デジタル化・AI導入補助金のしくみ」(制度概要)
■ 雇用関係助成金の窓口は福岡労働局

雇用関係助成金は、県や市の補助金とは別の、国の制度です。厚生労働省の助成金には、雇用関係助成金とは別の仕組みの制度もあります。
窓口は制度ごとに分かれる
福岡県内の雇用関係助成金の多くは、福岡労働局の各部署が窓口です。キャリアアップ助成金は福岡助成金センター(092-411-4701)、両立支援等助成金は雇用環境・均等部企画課(092-411-4717)に問い合わせます。人材開発支援助成金は、建設分野以外と建設分野で窓口が異なります。65歳超雇用推進助成金は、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 福岡支部が窓口です。
出典:厚生労働省 福岡労働局「各種助成金制度」(雇用・労働分野の助成金のご案内) 出典:福岡県「雇用関係助成金説明会」(5 お問合せ先)
業務改善助成金は申請期限が都道府県ごとに違う
厚生労働省の助成金のうち業務改善助成金は、雇用関係助成金とは別の交付要綱による制度です。申請期限は、都道府県ごとの地域別最低賃金の発効日で変わります。福岡県の最低賃金は2026年10月4日に発効したため、福岡県内の事業場の令和8年度の申請受付は、前日の10月3日で終了しています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請期間 | 2026年9月1日から、申請事業場の都道府県で適用される地域別最低賃金の発効日の前日または同年11月30日のいずれか早い日まで |
| 福岡県の最低賃金 | 1時間1,114円(2026年10月4日に発効。10月3日までは1,057円) |
| 福岡県の受付状況 | 終了(令和8年度の申請期限は2026年10月3日) |
| 対象外 | 労働者(従業員)がいない事業者 |
| 福岡県の窓口 | 福岡労働局 雇用環境・均等部企画課(092-411-4717) |
制度の概要は、業務改善助成金のページに掲載しています。
出典:厚生労働省「業務改善助成金」(お知らせ・制度概要) 出典:厚生労働省 福岡労働局「福岡県の最低賃金」(地域別最低賃金表) 出典:福岡県「雇用関係助成金説明会」(5 お問合せ先)
■ 申請前に確認する3点

県・市・国の制度で共通してつまずきやすい点を、確認しておきたいのは次の3点です。
交付決定の前に発注・契約をしない
交付決定より前に発注・契約した経費を、対象外とする制度が複数あります。申請する制度の要綱で、発注できる時期を先に確認してください。
| 制度 | 発注・契約と処分制限の扱い |
|---|---|
| 福岡県 脱炭素経営計画策定支援補助金 | 交付決定前に行った発注等に係る支払いと、事業完了日までに支払いが完了しなかった経費は、補助対象外 |
| 福岡県 中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金 | 交付決定以前に着手した工事は対象外 |
| 福岡県 生産性向上・賃上げ緊急支援補助金 | 交付決定日より前の発注・契約は対象外 |
| 福岡市 事業所の省エネ設備導入支援事業 | 補助金交付対象決定を行う前に契約・発注すると、交付対象決定される資格を失う。設置後は処分制限期間があり、LEDは15年、空調は6〜15年、換気は15年 |
| 国 新事業進出・ものづくり補助金 | 交付決定日より前に契約(発注を含む)した経費は対象外 |
出典:福岡県「福岡県脱炭素経営計画策定支援補助金」(5 補助率、補助対象経費の注記) 出典:ふくおかエコライフ応援サイト「令和7年度補正予算 福岡県中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金」(交付決定前の着手に関する記載) 出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(4 補助金を申請する際の留意事項) 出典:福岡市「令和8年度 福岡市事業所の省エネ設備導入支援事業」(5(1)補助金交付対象申請) 出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 よくあるご質問」(応募申請前や交付決定前に契約(発注)した場合の経費)
前提となる手続きと計画を先に確認する
制度によっては、補助金の申請より前に、計画の承認や支援を受けておく必要があります。経営革新計画が承認されても、審査の結果、補助金が交付されない場合があります。
| 制度 | 先に必要な手続き |
|---|---|
| 福岡県 生産性向上・賃上げ緊急支援補助金 | 福岡県中小企業“稼ぐ力”応援センターで「DX・生産性向上支援計画」を作成する。センターへの申込後、作成に約2〜3か月を要する(この制度の募集ページの記載) |
| 福岡県 経営革新・賃上げ緊急支援補助金 | 2025年7月1日以降に、県の経営革新計画の承認(変更承認を含む)を受ける |
| 福岡県 事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金 | 福岡県事業承継支援ネットワーク構成機関から、事業承継計画に関する支援を受ける |
| 福岡市 先端設備等導入計画 | 設備の導入前に認定を受ける。申請から結果が出るまで3〜4週間ほどかかる |
出典:福岡県「福岡県中小企業生産性向上・賃上げ緊急支援補助金(令和7年12月補正分)」(1 提出期限・4 補助金を申請する際の留意事項) 出典:福岡県「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(3【STEP1】経営革新計画の申請について) 出典:福岡県中小企業振興センター「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(1.補助金の概要) 出典:福岡県「事業承継に向けた中小企業収益力強化補助金」(ページ冒頭の対象者) 出典:福岡市「先端設備等導入計画」(申請フロー)
同じ設備・同じ経費に重ねられないルールがある
併用できるかどうかは、制度ごとに違います。県と市の奨学金返還の補助は、どちらも他の同様の補助との重複を認めていません。別の経費・別の取組なら申請できる場合があるため、要綱と事務局で確認してください。
| 制度 | 公式の記載 |
|---|---|
| 福岡県 グリーンアジア特区の設備投資補助 | すでに国または市町村の補助金の交付決定を受けている設備投資は、交付を受けられない |
| 福岡県 脱炭素化緊急支援事業補助金 | 導入する設備に関して、国・福岡県・その他の地方公共団体から補助金を受けていないこと |
| 福岡市 省エネ設備導入支援事業 | 補助対象設備に関して、国等の他機関から併用する形で補助金の交付を受けていないこと |
| 福岡県 奨学金返還助成 | 企業による併用は認めない。助成対象が異なる奨励金などは、補助対象となる場合がある |
| 福岡市 奨学金返還支援事業 | 申請する年度に、国・地方公共団体(福岡市を含む)・民間団体等の奨学金返還支援を目的とした他の助成金等の交付を受けていない(受ける予定を含む)こと |
| 国 持続化補助金 | 同一の補助事業について、国の他の補助金を重複して受け取ることはできない |
| 国 新事業進出・ものづくり補助金 | 申請自体は可能。国が実施する他の補助金や助成制度と補助対象経費が重複する事業は対象外 |
| 国 省力化投資補助金(一般型とカタログ注文型の併用) | 同じ補助対象には併用できない。別の補助対象なら可能 |
出典:福岡県「令和8年度 グリーンアジア国際戦略総合特区 中小企業設備投資促進事業(補助金)」(5 その他) 出典:ふくおかエコライフ応援サイト「令和7年度補正予算 福岡県中小企業脱炭素化緊急支援事業補助金」(1(1)⑩ 他補助金との重複受給の禁止) 出典:福岡市「令和8年度 福岡市事業所の省エネ設備導入支援事業」(4 補助対象者[条件]) 出典:福岡県「奨学金返還助成による中小企業人材確保支援事業」特設サイト「よくある質問」(Q10) 出典:ふくおか奨学金返還サポート(福岡市の委託サイト)「補助金」(01. 対象企業の要件) 出典:小規模事業者持続化補助金 公募要領 第8版(商工会地区版)(5.補助対象外となる事業) 出典:中小企業基盤整備機構「新事業進出・ものづくり補助金 よくあるご質問」(Q4) 出典:中小企業基盤整備機構「中小企業省力化投資補助金 一般型 よくあるご質問」(一般型とカタログ注文型の併用は可能ですか。)
■ 福岡で補助金を相談できる窓口

公的な相談窓口は、県、市、商工会議所・商工会に分かれています。個別制度の受付状況は、各制度の公式ページで確認してください。
福岡県中小企業振興センターの窓口:補助金コンシェルジュとよろず支援拠点
福岡県中小企業振興センターが、補助金コンシェルジュと、国が都道府県ごとに設置した福岡県よろず支援拠点を運営しています。補助金コンシェルジュは、申請の代行や採択の保証を行う窓口ではありません。
| 窓口 | 内容 | 連絡方法 |
|---|---|---|
| 補助金コンシェルジュ | 国・県・市町村等の補助金を整理・集約し、企業に応じた補助金を提案する | 入力フォーム(電話でのお問い合わせは遠慮するよう案内) |
| 福岡県よろず支援拠点 | 無料の経営相談 | 電話 092-622-7809 |
| 福岡県中小企業施策活用ガイドブック(2026年度版) | 福岡県の施策を中心に、概要を紹介した手引書 | 振興センターのサイトでPDFを公開 |
出典:福岡県中小企業振興センター「補助金コンシェルジュ」 出典:福岡県中小企業振興センター「経営の相談をしたい」(総合的経営相談) 出典:福岡県中小企業振興センター「福岡県中小企業施策活用ガイドブック」
市と商工会議所・商工会の窓口
福岡市の中小企業サポートセンター(電話092-441-2171)は、市の中小企業向け窓口です。市はサイトのAIチャットボットについて、「AIの回答のみをもって、融資、補助金、認定等の対象可否を判断することはできません」と注記しています。
経営革新計画の作成は、最寄りの商工会議所・商工会の経営指導員に相談できます。
出典:福岡市「中小企業サポートセンター」(窓口・AIチャットボットの案内) 出典:福岡県「福岡県中小企業経営革新・賃上げ緊急支援補助金」(4 経営革新計画の作成から補助金申請までの流れ・作成相談)
この制度の申請支援について、対応できる内容をまとめています。
■ HelpTech株式会社について
HelpTech株式会社は、福岡市中央区薬院に本社を置いています。
当社では、認定経営革新等支援機関として、補助金の選定から事業計画策定への助言、提携する行政書士による申請書類の作成、申請者ご本人が行う申請手続きのサポート、採択後の実行支援まで対応しています(2026年10月時点)。あわせて、業務のデジタル化を進めるDX支援やBPO(業務の外部委託)も提供しており、デジタル化・AI導入補助金を活用したITツールの導入についてもご相談いただけます。
会社情報の詳細は、会社概要のページをご覧ください。
■ まとめ:福岡の補助金は窓口が県・市・国で違い、受付中かどうかは公式ページで決まる
福岡の補助金・助成金は県・市・国で窓口と対象者が違い、県の賃上げ・生産性向上関連は2026年10月時点で全回の募集が終了しています。雇用関係助成金の窓口は主に福岡労働局で、交付決定前の発注を対象外とする制度は複数あります。
併用の可否も制度ごとに違うため、自社の所在地・業種・従業員の有無を整理し、公式ページで受付状況を確認したうえで窓口へ相談しましょう。
国の補助金の活用を検討している場合は、お問い合わせ(電話:092-688-0878/平日 10:00-18:00)からご相談ください。
この記事の執筆者

HelpTech株式会社 代表取締役
高橋 延明
中小企業の補助金・助成金申請支援と、リスキリングの研修事業を手がける。経産省のリスキリング補助事業の採択事業者。
よくある質問
対象者の書き方は制度ごとに違うため、公募要領や要綱の対象者欄で、個人事業主が含まれるかを確認します。「中小企業者」とだけ書く制度もあれば、個人事業主や青色申告の個人事業者を明記する制度もあります。
これから福岡市内に本社を置く会社を設立する個人は、福岡市新規創業促進補助金の対象になります。特定創業支援等事業の証明書で登録免許税の半額軽減を受けることが条件で、残りの半額相当を、株式会社は75,000円、合同会社は30,000円の定額で補助します。申請の時期は、同事業の受講後かつ法人登記の前です。先着順で、受付は2027年3月31日必着までです(2026年10月時点)。既存の法人は対象外です。
市町村が独自に設ける補助は、事業所がある市町村の窓口や公式ページで確認します。福岡市の制度の多くは、市内の事業所や本店・本社があることを要件にしています。
次回の募集の有無と時期は、実施機関の公式ページか事務局で確認してください。中小機構のJ-Net21「支援情報ヘッドライン」では、カテゴリと地域から補助金・助成金を検索できます。掲載情報は、国や県等のサイトや公表資料から中小機構が収集したもので、既に募集を締め切っている場合があります。
採択や受給を保証する表現がないか、書類の作成者と申請者が誰か、料金の内訳が示されているかを、契約前に確認します。作成者と申請者が書面で区別されていない場合は、説明を求めてください。厚生労働省は、業務改善助成金のページで委託を装った勧誘への注意喚起を掲載しています。