【第8回公募開始】中小企業 省力化投資補助金|「人が足りない」を設備で埋める、最大1億円の使い方

求人を出しても応募がない。人手不足の穴は、もう人では埋まらないかもしれません。
求人を出しても応募がない。来てもすぐ辞める。時給を上げても、同じ商圏の相場がまた上がる。
人手不足は景気が戻れば解消するものではありません。この先、今と同じか、それ以上の人数を確保できる前提で事業計画を立てられる中小企業はそう多くありません。
そして、賃上げも止まりません。最低賃金は上がり続け、社会保険料も重くなる。人を増やして売上を伸ばすというやり方そのものが、少しずつ成り立たなくなってきています。
この問題を解決するには、人を増やす前提を手放し、いまのメンバーのままこれまで以上に回る現場を作る必要があります。
その現場を作るための設備投資費用を国が最大1億円まで補助する制度の公募が、8月18日よりスタートしました!
■ 自社専用の設備に補助が出る「中小企業省力化投資補助金(一般型)」
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が、IoT・ロボット・AI・センサーなどを使って自社の業務に合わせて設計された専用設備(オーダーメイド設備)を導入するとき、その費用の一部を国が補助する制度です。
また、省力化投資補助金には「カタログ注文型」と「一般型」の2つがあります。
| カタログ注文型 | 一般型 | |
|---|---|---|
| 導入するもの | 国が事前に効果を認めた汎用製品をカタログから選ぶ | 自社の工程・レイアウトに合わせた専用設備・システム |
| 補助上限 | 最大1,500万円 | 最大1億円 |
| 事業計画書 | 簡易 | 詳細な計画書が必須 |
| 申請の受付 | 随時 | 公募回ごとの締切制 |
カタログ注文型にある製品でそのまま解決できる場合は、そちらのほうが申請が迅速かつ簡易となっています。
一方で、
- カタログ製品では自社の工程に合わない
- 既存の設備やシステムと繋ぎ込む必要がある
- 汎用機器を複数組み合わせて、はじめて省力化が成立する
- 投資規模が1,500万円を超える
上記のような場合は、一般型のほうが結果的にコストも時間も抑えられます。
■ 第8回公募のスケジュール
第8回公募は2026年8月18日に公募要領が公開されました。今後のスケジュールは以下のとおりです。
| 公募開始 | 2026年8月18日(火) |
| 申請受付開始 | 2026年9月18日(金)10:00 |
| 申請締切 | 2026年10月16日(金)17:00 |
| 採択発表 | 2027年2月上旬(予定) |
受付開始から締切まではおよそ1か月しかありません。その1か月間で日常業務をこなしながらすべての書類を用意するのは現実的ではありません。
また、事業計画書などの自社で作成する書類だけでなく、日数がかかる準備が多数発生します。
- GビズIDプライムアカウントの取得:電子申請に必須。発行に一定期間かかります
- 一般事業主行動計画の公表(従業員21名以上の場合):「両立支援のひろば」への掲載に2週間程度かかり、不備があればさらに延びます
- 省力化指数と投資回収期間の算定:現場の作業時間を実測しないと数字が出せません
- 参考見積・仕様書の取得:ベンダー選定から始めると数週間かかることも
上記のような工程を想定すると、受付開始の時点でほぼ完成している状態が理想です。申請を検討する場合は、1日でも早く着手する必要があります。
■ 補助上限額と補助率
補助上限額は、投資額ではなく従業員数の区分で決まります。
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅賃上げ特例の適用時 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6〜20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21〜50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51〜100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助率は以下のとおりです。
| 補助対象者 | 補助率 |
|---|---|
| 中小企業 | 1/2(最低賃金引き上げ特例の適用で2/3) |
| 小規模企業者・小規模事業者、再生事業者 | 2/3 |
また、補助上限額と補助率をアップさせる2種類の特例があります。
大幅賃上げ特例
一人当たり給与支給総額の年平均成長率+6.0%以上(基本要件+3.5%に、さらに+2.5%以上)、かつ事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上にする計画を立てる場合、上限額が引き上がります。引き上げ額は5人以下で250万円、6〜20人で500万円、21〜50人で1,000万円、51〜100人で1,500万円、101人以上で2,000万円です。
⚠️ 上限額に達しない申請では、この特例は使えません。そして未達なら引き上げ分は返還しなければなりません。「上限を上げたいから宣言する」という発想でつけると、あとで自分の首を絞めます。
最低賃金引き上げ特例
2024年10月〜2025年9月の間に、「その時点の地域別最低賃金以上〜2025年度改定後の最低賃金未満」で雇用していた従業員が全従業員の30%以上いた月が3か月以上あること。これを満たすと、中小企業の補助率が1/2→2/3に上がります(小規模企業者・小規模事業者、再生事業者、常勤従業員がいない場合は適用外)。
👉 1/2と2/3の差は決定的です。3,000万円の投資なら1,500万円と2,000万円。まずは自社がこの特例に当たるかどうかを賃金台帳でご確認ください。
⚠️ ただし、この2つの特例は併用できません。 最低賃金引き上げ特例で補助率2/3を取る場合、大幅賃上げ特例による補助上限額の引き上げは適用されません(=「最大1億円」は補助率1/2+大幅賃上げ特例の組み合わせでのみ到達します)。どちらが自社にとって有利かは、投資額と従業員数区分によって変わります。
■ 申請の前に必ず超えなければいけない4つのハードル
一般型は「設備を買いたい」だけでは通りません。3〜5年の事業計画で次の要件をすべて満たす必要があります。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| ① 労働生産性 | 年平均成長率+4.0%以上(付加価値額÷従業員数+役員数) |
| ② 一人当たり給与支給総額 | 年平均成長率+3.5%以上 |
| ③ 事業場内最低賃金 | 毎年、事業実施都道府県の最低賃金+30円以上の水準 ※最低賃金引き上げ特例を適用する場合、③の要件は適用されません |
| ④ 一般事業主行動計画 | 従業員21名以上は交付申請時までに「両立支援のひろば」で公表 |
加えて、事業計画そのものに求められるものがあります。
- 省力化指数の算定(後述)
- 投資回収期間を根拠資料とともに提出
- 3〜5年の計画期間で付加価値額が増加すること
- オーダーメイド設備であること(汎用設備の単体導入は対象外。ただし複数組み合わせて高い省力化効果を出す場合はオーダーメイド扱い)
- 金融機関から資金調達する場合は、金融機関確認書
■ 審査の中心にあるのは「省力化指数」と「投資回収期間」です
この制度でいちばん大事なところなので、少し丁寧に説明させてください。
省力化指数
省力化指数 =(削減される業務に要していた時間 − 導入後に発生する業務時間)÷ 削減される業務に要していた時間
省力化指数とは、業務にかかっていた人手や時間が機械を導入することにより、どれくらい削減できたかを表す割合のことです。分子だけでなく分母、つまり現状の作業時間そのものを正確に示せるかが問われます。
ここで多くの会社がつまずきます。「だいたい1日2時間くらい削減されるかも」では根拠になりません。誰が・どの工程を・1日何回・1回何分やっているのか。現場に入ってストップウォッチで測る(タイムスタディ)作業が、事実上の出発点です。
そして忘れられがちなのが、導入後にも新しい業務が発生することです。データ入力、機械の段取り替え、保守点検、エラー対応。これを差し引かずに書いた計画は、審査で必ず突かれます。
投資回収期間
投資回収期間 = 投資額 ÷(削減工数 × 年間稼働日数 × 人件費単価 + 増加した付加価値額)
投資回収期間とは、機械導入に支払った投資額を、それによって得られる利益やコスト削減額で取り戻すまでに何年かかるかを表す指標です。実際にシミュレーションしてみます。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 投資額 | 1,200万円 |
| 削減工数 | 1日3時間 |
| 年間稼働日数 | 250日 |
| 人件費単価 | 2,200円/時 |
| 削減効果 | 3時間 × 250日 × 2,200円 = 約165万円/年 |
| 増加した付加価値額 | 135万円/年(空いた時間を受注増に回す) |
| 投資回収期間 | 1,200万円 ÷ 300万円 = 4年 |
👉 ここで見ていただきたいのは、同じ設備でも、書き方ひとつで回収期間が倍以上変わるということです。
削減工数を1日3時間ではなく1.5時間で見れば、分母は約217万円になり、回収期間は5.5年に伸びます。逆に、削減工数を盛れば数字はよくなりますが、根拠資料と噛み合わなければ審査で崩れますし、そもそも達成できません。
盛るのではなく、実測して、拾い漏れていた時間まできちんと数え上げる。ここが計画の質を決めます。段取り替えの待ち時間、確認・突き合わせの時間、月末にまとめて発生する集計作業、繁忙期だけ発生する残業。丁寧に拾うと、体感より削減工数は大きいことのほうが多いです。
■ 「で、うちだといくら?」3社のケースで計算してみます
⚠️ 以下はいずれも架空のモデルケースです。補助率は中小企業1/2、小規模企業者・小規模事業者2/3、上限額は従業員数区分に基づいて計算しています。実際の金額は要件の当てはめや対象経費の判定で変わるため、最終的な数字は第8回公募要領で必ずご確認ください。
ケース1|印刷加工Aさん(従業員12名・6〜20人区分)
現状:受注データの手入力と、加工機への段取り作業が属人化。ベテラン1名に依存し、その人が休むと工程が止まる。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設備投資 | 受注データ連携システム+自動搬送・段取り支援装置 1,200万円 |
| 補助率 | 1/2(中小企業) |
| 補助金額 | 600万円(1,200万円×1/2。6〜20人区分の上限1,500万円の範囲内) |
| 自己負担 | 600万円 |
| 省力化指数 | 0.6(1日5時間の作業 → 2時間に) |
| 投資回収期間 | 約4年 |
👉 この規模で気をつけたいのが、補助金の上限額と投資額の混同です。
6〜20人区分の補助上限1,500万円を使い切るには、補助率1/2なら3,000万円の投資が必要になります。投資回収期間は「投資額÷年間の削減効果」なので、投資額を増やせば回収期間は基本的に長くなります。審査でも「事業状況に見合った投資であるのか」が見られます。上限額から逆算するのではなく、解くべき工程から必要な設備を積み上げるのが正しい順序です。
ケース2|食品製造Bさん(従業員28名・21〜50人区分)
現状:計量・充填・箱詰めがすべて人手。繁忙期は毎日残業、パートの採用も追いつかない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設備投資 | 自動計量・充填ライン+検査装置+生産管理システム連携 8,000万円 |
| 補助率 | 1/2(中小企業) |
| 補助金額(通常) | 3,000万円(8,000万円×1/2=4,000万円だが、21〜50人区分の上限3,000万円で頭打ち) |
| 補助金額(大幅賃上げ特例) | 4,000万円(上限が3,000万円→4,000万円に) |
| 特例の条件 | 一人当たり給与支給総額 年平均+6.0%以上+事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上 |
| 自己負担 | 5,000万円 → 特例適用で4,000万円 |
👉 特例が適用されれば補助額が1,000万円上乗せされます。ただし注意点があります。給与支給総額には残業手当も含まれるため、残業代が減るだけでは賃上げ率は上がりません。 省力化で生まれた生産余力を受注増・粗利増に変え、その原資を基本給や賞与として配分できるか。設備の効果が賃上げの原資につながっているかを軸に計画しましょう。
なお、従業員数の区分は「決算書に載っている人数」ではなく申請時点の常時使用する従業員数で判定されます。20名か21名か、50名か51名かで上限が倍近く変わるので、早めの確認が必要です。
ケース3|運送業Cさん(従業員5名・小規模事業者)
現状:配車と請求書作成を社長が深夜に手作業。人を増やす余裕はない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設備投資 | 配車最適化システム+車載端末+請求連携 900万円 |
| 補助率 | 2/3(小規模事業者) |
| 補助金額 | 600万円(900万円×2/3。5人以下区分の上限750万円の範囲内) |
| 自己負担 | 300万円 |
| 投資回収期間 | 約3.5年 |
👉 小規模だから不利、ではありません。 補助率が2/3になるぶん、自己負担率は中小企業の1/2より軽くなります。ただし従業員数区分の判定に代表取締役は含まれないため、「社長+従業員5名」の会社は従業員数5名として区分されます。また、社長の深夜作業のように表に出てこなかった工数も、実測して積み上げれば計画の説得力は上がります(削減工数・年間稼働日数・人件費単価は、それぞれ根拠資料の提出が求められます)。
3ケースから見えてくること
| ケース1(12名) | ケース2(28名) | ケース3(5名) | |
|---|---|---|---|
| 設備投資額 | 1,200万円 | 8,000万円 | 900万円 |
| 補助率 | 1/2 | 1/2 | 2/3 |
| 補助金額 | 600万円 | 3,000万円(特例4,000万円) | 600万円 |
並べてみると、事業規模や投資額によって受け取れる補助金の額が大きく変わるのがわかります。検討中の設備投資が自社の規模に見合っているか、運用後にきちんと投資回収ができるのか判断しながら計画を進めていきましょう。
■ この制度、採択されたあとが本番です
ここまで読んで「よし、うちも申請しよう」と思ってくださった方に、あえて水を差すようなことをお伝えします。
省力化投資補助金は、採択されて終わりではありません。この制度でいちばん多くの会社が苦しむのは、お金の入るタイミングです。
補助金は「精算払い」。着金は事業完了のあとです
流れを時間軸で並べてみます。第8回のスケジュールに当てはめると、こうなります。
- 2026年9〜10月:応募申請
- 2027年2月上旬:採択発表
- 2027年3月頃:交付決定
- 交付決定後:発注(事業実施期間は交付決定日から17か月以内)
- 実績報告 → 現地調査 → 交付額の確定
- 確定後:補助金が振り込まれる
見ていただきたいのは、②から⑥までに軽く1年以上かかるということです。応募から数えれば、着金は2年近く先になることもあります。
⚠️ 「補助金が出るから大丈夫」は、この制度でいちばん危ない考え方です。必要なのは投資額の全額を用立てる資金計画で、補助金はその返済原資のひとつに過ぎません。借入で調達するなら金融機関確認書も必要になります。設備導入と資金計画の調整を並行して進めていかないと、採択されたのに動けないという事態が起きます。
実績報告と現地調査という第二の山
支払いを終えたら、今度は実績報告です。
- 見積書・発注書・契約書・納品書・請求書・振込記録の一式
- 導入した設備の写真、稼働の記録
- 省力化効果が計画どおり出ていることの説明
- 賃金台帳(一人当たり給与支給総額と事業場内最低賃金の裏づけ)
そして、交付額の確定にあたって中小機構・事務局による現地調査があります。現地で設備や証憑が確認できなければ、その分は補助対象になりません。
さらに、実績報告が終わっても効果報告は数年続きます。事業計画期間(3〜5年)にわたって、労働生産性・一人当たり給与支給総額・事業場内最低賃金を報告し続ける必要があります。
■ 制度は複雑。でも、一緒に組み立てることはできます
第8回公募の申請受付は2026年9月18日(金)10:00に開始、締切は10月16日(金)17:00です。
GビズIDの取得、(21名以上なら)一般事業主行動計画の公表、現場のタイムスタディ、ベンダー選定と参考見積、省力化指数と投資回収期間の算定、そして資金計画。これを本業の合間に、期限内に、正確に進めるのは相当な負荷です。
そんなお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度私たちHelpTechにご相談ください。
- 従業員数区分・補助率・特例の当てはめを整理します。補助率が1/2か2/3か、特例を取るべきか取るべきでないかの判断を一緒に考えます。
- 着金までの資金計画をセットで考えます。資金調達についてもお気軽にご相談ください。
- 交付申請・実績報告・効果報告まで見据えて伴走します。採択されてからが「スタート」です。申請から事業支援まで一貫してサポートします。
本事業は、事業計画を申請者自身が作成することが前提の制度です。公募要領でも、実費とかい離した高額な成功報酬を請求する業者への注意喚起がなされており、支援を受けた場合は申請時に支援者名と報酬額・契約期間を必ず記載することが求められます(未記載は虚偽扱い)。私たちは「代わりに書く」のではなく、経営者ご自身が説明できる計画を一緒に作る立場でお手伝いします。口頭審査も代表者ご本人での対応が原則です。
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人手不足は待っていても解消しません。しかし、それは今いる人たちがもっと価値のある仕事に集中できる現場へ作り替えるチャンスでもあると、わたしたちは考えます。
「上限枠と補助率、うちはどの区分になるのか知りたい」
「大幅賃上げ特例を取るべきか判断できない」
「投資回収期間の根拠をどう作ればいいかわからない」
「着金までの資金繰りが不安」
どんな段階でも構いません。むしろまだ何も決まっていない段階のほうが、選べる打ち手は多く残っています。申請受付は9月18日(金)10:00に始まり、締切は10月16日(金)17:00。準備を始めるなら、一日でも早いほうが有利です。
まずは無料相談で現状を一緒に整理させてください。